営業成果が激変する「カスタマージャーニー」の作り方

営業でなかなか成果が出ないと感じている人は多いのではないでしょうか。心が折れそうな日もあると思いますが、その原因の一つは「顧客の視点が抜け落ちている」ことにあります。

ここで話題に出るのが「カスタマージャーニー」と「カスタマージャーニーマップ」です。これを作り上げると、営業活動が根本から変わり、成果を大きく変えるちゃんとした「地図」が手に入ります。

今日は、営業人なら知っておきたい「カスタマージャーニー」の作り方と、より実践的な「カスタマージャーニーマップ」について解説します。事例やイメージを用いて解説するので心配なく読んでください。


カスタマージャーニーとは?

「カスタマージャーニー」とは、顧客が「商品を知る」から「購入する」までの一連のステップとその間の心理を持った「旅路」です。これを明確にすることで、営業活動はよりワークしやすくなります。

カスタマージャーニーマップとは? カスタマージャーニーマップとは、顧客が「商品との接点」を通じて「気づき-興味-比較-購入」までのステップを解明化したものです。これにより、どの段階でどのような対応が必要なのかが明確になります。

このカスタマージャーニーマップは、既に1998年頃から使われてきたフレームワークです。時間をかけて進化していき、現在では「カスタマーエクスペリエンス」と呼ばれる「顧客の体験」全体をデザインする中で、必要不可欠なツールとなっています。


カスタマージャーニーマップの作り方

以下にカスタマージャーニーマップを作成するための手順をまとめました。各ステップを進めながら、具体的な行動や接点を明確にしていきましょう。

1. ペルソナ(顧客像)を定義する

  • 目的: 誰にアプローチするのかを明確にします。
  • 具体例:
    • 30代の営業職、転職を考えスーツ購入を検討中の男性。
    • 地方在住で、オンライン購入も視野に入れている。

2. 顧客体験のフェーズを明確にする

以下のようなフェーズに分けて、顧客がどのような行動をするのかを整理します。

フェーズ顧客の行動営業の対応
気づきSNSや広告で商品を知るSNS投稿や広告配信
興味商品の詳細を調べる商品ページの整備、資料提供
比較検討他社と比較し評価するメリットを強調した提案、価格比較情報提供
決断購入を決意する購入のフォロー、信頼性の強調
購入商品を購入するスムーズな決済サポート
継続利用商品を使い続け、満足するアフターサービス、追加提案

3. 顧客接点(タッチポイント)を洗い出す

各フェーズで顧客が接触するタッチポイントを特定します。

例:オンラインスーツ販売の場合

  • 気づき: 広告、SNS投稿、口コミ。
  • 興味: 商品ページ、レビュー。
  • 比較検討: 他社サイト、メールマガジン。
  • 決断: カート画面、問い合わせ窓口。
  • 購入: 購入完了メール、配送情報。
  • 継続利用: メンテナンスガイド、会員特典。

4. ギャップを見つけ改善する

  • 顧客がスムーズに次のフェーズに進めないポイントを洗い出します。
  • 例: サイトの情報不足や、レスポンスの遅さ。

5. 実践と改善を繰り返す

  • マップをもとに行動し、結果を分析して改善します。
  • 例: フェーズごとの転換率を計測して、弱い部分を強化する。

BtoCとBtoBの違い

カスタマージャーニーを考えるとき、BtoCとBtoBでは大きな違いがあります。

BtoCの場合: BtoCにおいて商品やサービスの購入主体は「個人」の消費者です。購入の意思決定もその個人が自分の要望に基づいて行う場合がほとんどです。そのため、営業は個人の心を動かすようなアプローチが重要です。

BtoBの場合: BtoBでは購入や意思決定が「組織」として行われます。これにより、複数の人がプロセスに関わり、検討期間も長くなります。また、それぞれの部署や個人の興味や関心が異なるため、アプローチも複雑になります。

例えば:

  • BtoC: ファッションスーツを買う女性の場合。この流れは個人の意思決定で済む。
  • BtoB: 新しい資材を購入したい場合。製造部門と経理部や購買部門がそれぞれ調査し、意思決定をする。

このようにBtoBのカスタマージャーニーは複雑になるため、より算調と優先順位が重要になります。


おわりに

カスタマージャーニーは「商品を購入して使用するまでの道のり」を見える化し、営業活動の基本となる「地図」です。特にBtoBのような複雑な流れには必要不可欠なツールと言えるでしょう。

これを機に「顧客が商品を知って購入するまでの道のり」を一度洗い出して、カスタマージャーニーマップを作ってみませんか?

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