
営業に携わる人、そしてこれから営業マネジメントに挑戦する人にとって、「目標設定」や「成果の評価」は避けて通れないテーマです。そんな時、重要になるのが「定数」と「変数」の考え方です。
一見、難しそうなこの言葉。しかし、実はとてもシンプル。この記事では、営業活動に役立つように分かりやすく説明していきます!
☞ 定数と変数:それぞれの意味
用語 | 意味 |
---|---|
定数 | 値が変わらないもの(固定されている) |
変数 | 値が変わるもの(変化する) |
漢字そのままの意味ですが、「だから何?」と思うかもしれません。営業現場でどう使うかを考えながら、もう少し深掘りしていきましょう。
☞ 営業における定数と変数
営業活動において、努力して変えられるものと変えられないものを区別することが重要です。
例えば、目標が「毎月紹介だけで100件の商談を作る」と設定されたとしましょう。
ここで考えるべきは、
- 何件の紹介先を作れば100件の商談が生まれるか?
- 現状のデータからどんな仮説を立てるか?
です。
仮に「紹介先が1000件あれば、商談が100件生まれる」という仮説を立てたとします。
その場合:
- 紹介先の母数(リード数)は、すぐには増やせない場合も多い(定数)。
- 行動量(アプローチ数など)は自分で変えられる(変数)。
この視点が極めて大切なのです。
▶️ 営業活動を定数・変数に分解してみる
項目 | 定数/変数 | 説明 |
飛び込み件数 | 変数 | 自分の努力で増減できる |
テレアポ架電数 | 変数 | 自分の努力で増減できる |
提携先数 | 変数 | 開拓努力によって変わる |
リード数(紹介先数) | 定数 | 一定期間で急に増えない場合が多い |
商談数 | 定数 | リードの質に大きく左右される |
成約数 | 定数 | 商談の結果に依存 |
🔍 ポイントまとめ
- 変数(行動量)は、すぐに評価しやすい。
- 定数(成果指標)は、すぐには変えられない。仕組み作りが必要。
また、評価基準を考える際には、目標設定が現実的であるか、インパクトがあるかもしっかりと見極めましょう。高すぎる目標を設定すると、施策が途中で頓挫してしまうリスクもあります。理想と現実のバランスを取りながら設計することが、継続的な成果につながります。
☞ 定数と変数を分けられないと超危険!
営業マネジメントを始めたばかりの人によくあるミスは、
- 「成果(定数)だけを短期的に追いかけてしまう」
- 「行動(変数)をコントロールせずに放置する」 ことです。
例えば、
今月は成約が少ない!頑張れ! とだけ言っても、現場は困るだけです。
大事なのは、
- どの変数(行動)を増やすか?
- それによってどの定数(成果)を伸ばすか? をセットで考えることです。



よくいるのが、変数と定数の理解なく新規施策を始めようとして、すぐさま数字が出る事ないのに成果にフォーカスしてしまう。
最初は行動量のみでいいくらい。その上でその行動が間違ってないかな?の確認のための成果くらいに思えたらよし。
☞ 「変数を動かす」思考法のすすめ
マーケターの森岡毅さんが、ビジネスを成功に導くために語ったキーワードがあります。
定数ではなく変数を動かす
これは営業でも同じです。
👉 自分でコントロールできるものにエネルギーを集中せよ
- 自分で変えられないこと(定数)に時間を浪費しない!
- 自分で変えられること(変数)に集中しよう!
NG例 | OK例 |
商談が少ない!と嘆く | アプローチ件数を増やす施策を立てる |
成約率が低いと落ち込む | ヒアリングの質を上げるトレーニングを実施する |
✨ 変数を動かすと何が変わる?
- マネジメントが論理的になり、チームが迷わない
- 現場メンバーのストレスが減る(”頑張れ”ではなく”やるべき行動”が明確)
- 数字が安定して積み上がる
☞ まとめ
✅ 定数と変数の違いを理解すること
✅ 目標設定は、変数(行動量)をベースに考える
✅ 評価も、行動量を分析して行う
✅ 目標設定はインパクトと現実性のバランスを取り、施策が継続できる水準に設計すること



営業活動を科学することは、成果をコントロールできる世界に変えること。
ぜひ、あなたの営業活動にも今日から「定数と変数」の考え方を取り入れてみてください!
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