ブランドは“作る”な、語れ。『ブランドSTORY設計とは』(関野吉記 著)レビュー

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『ブランドSTORY設計とは』(関野吉記 著)レビュー

商品が売れない理由は、魅力がないからではない。
魅力が“伝わっていない”からだ。


◆「ブランド」は、物語でできている

本書『ブランドSTORY設計とは』は、ポストコロナ時代において企業や商品が生き残るための“共感ブランディング”戦略を解説した一冊です。

私たちは営業マンとして日々、商品やサービスを紹介しています。
けれど、その紹介はどこかで「スペックや価格、実績」に偏りがちではありませんか?

この本は、そんな“機能のプレゼン”から脱し、「物語として伝える」ことで顧客の心を動かす方法を提示してくれます。


◆ブランドストーリーとは何か?

簡単に言えば、企業や商品が持つ「魅力」や「哲学」を物語に落とし込んだもの
創業の経緯、乗り越えてきた困難、こだわり、想い…これらを通じて「なるほど」と感じられる背景を語るのがストーリー設計です。

営業でも、単なる「新機能紹介」よりも、

  • なぜこのサービスが生まれたのか
  • 誰の、どんな悩みを解決したくて始まったのか
  • 社内ではどんな思いで顧客に向き合っているか

こうした“ストーリーのある語り口”でプレゼンした方が、確実に響きます。


◆ブランドは“作る”のではなく、“軌跡をどう見せるか”がすべて

関野氏は本書で、「ブランドは後付けで作るものではない」と強調します。
重要なのは“歩んできた軌跡を、どのように語り、見せるか”という点。

たとえば老舗の和菓子屋がよく使う「創業◯年」のアピール。
でも、それだけでは他と差別化できません。

もし「創業当初、関東大震災で店が焼けたにも関わらず、祖母が教えたレシピだけを頼りに屋台で再開した」みたいな話があれば、人はその和菓子に“想い”を感じて買うようになります。


◆ストーリーブランディングの設計ポイント(営業にも応用可)

① 独自性を出す

他社にない歴史・想い・工夫を見つけ、明文化。

② 感情に訴える

共感・驚き・喜び・切なさ…何かしら心を動かす要素を入れる。

③ メッセージを明確に

「なぜ自社でなければならないのか?」を物語の中で伝える。

④ 一貫性を持つ

営業資料・SNS・Webサイト、どこでも同じ“世界観”で統一する。

⑤ 複数チャネルで展開

1on1営業トークだけでなく、SNSやメルマガ、動画などにも展開し共感を広げる。


◆営業マンにとっての「ブランドストーリー活用術」

あなた自身の営業活動も、小さなブランドです。

  • なぜこの仕事をしているのか
  • どういうお客様に貢献してきたか
  • 商品ではなく“信頼”を売っているという意識

こうしたストーリーを日々蓄積し、お客様に語れるようにしておくことで、“あなた自身”が選ばれる営業マンになります。


◆まとめ:あなたの営業トークに、物語はあるか?

スペックで差が出ない時代。
顧客は“共感できるもの”に惹かれ、“記憶に残るもの”を選びます。

商品だけでなく、営業トークにもストーリーを。
「売る」から「伝わる」へ。

それが今、営業マンに求められるブランド設計力です。

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