営業AI時代に見えた“人間にしかできないこと”

まん坊豆腐

仕事で少しAIにできない隙間を見つけたので備忘録を書いたよ。久しぶりに書いたわ。開発で忙しい。

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「それっぽい話」は刺さらない──営業がAIに代替されない理由

営業において、AIに代替できないと強く感じた出来事があったので、ここにメモしておく。
私はAIが大好きだ。個人でも課金しているし、会社でもいち早く取り入れた。NotebookLMなども積極的に活用している。

だが、営業という仕事において、「AIだけでは乗り越えられない壁」が確かに存在すると、改めて感じた。


AIが出す“ベストトーク”を営業が使わない理由

NotebookLMに、これまで自分が商談化・成約に至った100件のグッドトークを入力して、ベストな営業トークを抽出してみた。

結果は悪くなかった。構成も話の流れも、かなり完成度が高い。
「なるほど、こういうふうに言えばいいのか」と思わせるようなロジックが整っていた。

でも──現場のインサイドセールスは、結局それを使わなかった。

なぜか?
それは「お客さんが似たような状況にあっても、まったく同じではない」からだ。

AIは汎用性の高いテンプレートは出せる。だが、営業が向き合っているのは「今この瞬間の、その人のリアル」だ。

ちょっとした言い回し、間の取り方、相手の口調や視線。
そういった“非言語のニュアンス”が、営業の核心であることを、改めて突きつけられた。


現状のAIには「ラグ」と「情報の壁」がある

もう一つの課題は、「AIに顧客情報を入力しなければ使えない」という点だ。

AIがそのお客さんの背景や悩みを理解するには、まず営業担当が打ち込む必要がある。
この時点で一つ「ラグ」が生まれる。

例えば、インサイドセールスが目の前の顧客と話していて、
「この人、言葉にはしてないけど、決裁者じゃないな」とか
「トーン的に、予算感の話は今すべきじゃないな」とか、
そういう**“肌で感じる気配”**をAIはまだ拾えない。

そして、仮にそれを営業がAIに逐一入力したとしても、
そのラグがあることで、トークの自然さや反応の機微は失われてしまう。


いつかAIが追いつく日が来るとしても

もちろん、将来的には音声をリアルタイムで解析し、営業中に“次に言うべきセリフ”をささやいてくれるAIも出てくるかもしれない。

でも、それはまだ「いつか」の話だ。
今の段階では、営業現場においてAIはあくまで補助的な存在であり、
人間の直感や共感、間の取り方、そして「空気を読む力」が欠かせない。


営業の本質は「人の悩みを、誰かに聞いてほしい」という欲求にある

営業とは、悩みを解決する仕事だ。
でもその前に、人は悩みを「誰かに聞いてほしい」と思っている。
この“聞く”という行為が、営業の原点であり、人間の役割だと私は思っている。

AIは確かに賢いし、優秀だ。
だけど、「聞いてくれている気がする」「共感されている気がする」というレベルには、まだ到達していない。

そして最近、こんなことも感じている。
人は「ただ肯定されたい」だけではない。
むしろ、自分の中の誤解や勘違いを“誰かに訂正してほしい”という欲求も持っているのではないか、と。

つまり、営業とは共感するだけでなく、新しい視点や情報を差し込み、相手の認識を更新する行為でもある。
古い情報をアップデートし、思い込みを揺さぶりながら、より良い選択肢に導く。
これも、顧客との“対話”のなかでしか生まれない価値だ。


まとめ:AIで営業は進化する、でも人の価値もまた際立つ

営業はAIに置き換えられる──そう言われることもある。
でも実際には、AIができることが増えるほど、人にしかできないこともはっきりしてくる。

AIで「準備」や「振り返り」は効率化できる。
だが、「本番」の会話で、相手の空気を読み、トーンを合わせ、間を作り、納得を生み出す──この部分は、やはり人間にしかできない。

だから、これからの営業は「AIを活用する人」が強くなる。
AIをうまく使いながら、“人としての価値”を引き出せる営業が、結果を出していく時代になるだろう。

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