はじめに:次のステップへ向かいたいライターの皆様へ

こんにちは、前回「実績ゼロ主婦がWebライターとしてクラウドソーシングサイトで契約を取るまで」という記事を執筆いたしました、塩田と申します。
今回は、実際にライターとして動き出した皆様に向け、あと一歩、二歩前へ進むための情報をお届けいたします。
「とにかく実績を増やさなければ」という時期と比べると、少しずつ仕事に慣れ、得意なジャンルや書きたい案件がなんとなくでも分かってきた方も多いかと思います。
実績が増えてきたときに私自身が取った行動を踏まえて、安定したライター活動を目指すための具体的な方法をお伝えしていきます。
プロフィールページを充実させる



当時の私を含め、初心者ライターはまだまだクラウドソーシングサイトを活用することも多いでしょう。
最初に作成したプロフィールページをより充実させ、あなたの魅力を伝えていきましょう。
・記載すべきポイントとは
①現在の職業や前職の経験など
「まだまだライターとしての実績は少ない…」とお悩みかもしれませんが、ライター活動のみに絞ってプロフィールを書く必要はないでしょう。
保育士や管理栄養士、美容部員など、一見ライターに関係ない職業でも「その業界関連の記事には強いです!」とアピールできますよ。
また、学歴や職歴、現在の働き方などを記しておくといいでしょう。
専門ライターか兼業ライターか、1日の稼働時間はどれくらいかなどはよく聞かれるため、これらも記載しておくことがおすすめです。
②ライターとしての強み
これまでの実績を踏まえて、しっかりアピールしておきたい点です。
具体的なスキルや得意なジャンルなどを記載しましょう。
「医療系や美容系の記事を書いた」「インタビュー記事を書いた」「育児コラムを書いた」など具体的に書いておくと、似たような案件を求めている発注者にアピールできます。
私の場合は、薬機法を踏まえた記事やSEO対策を考慮した記事など、専門知識が問われる内容の執筆経験は強みになると考え、記載していました。
専門的な記事の執筆経験が少ない場合は「必ず納期の前日までには仕上げます」「誤字脱字がなく丁寧な仕上がりを評価していただいています」などでもかまいません。
人間性や仕事への向き合い方を重視する発注者も多いため、ライターとしての姿勢を伝えることも重要です。
・ぱっと見た時の分かりやすさを意識する
記事作成においてもいえる事ですが、ぱっとページを開いた時の見やすさを意識しましょう。
改行、箇条書き、「」の使用など、分かりやすく記載しておくと忙しいクライアントにも届きやすいです。
例として挙げると
「小学校教諭と管理栄養士の資格を持っています。これまでに手がけた記事は、育児コラム、美容と健康についての記事、食事と肌の関係の記事、主婦が行う投資について、などです。」
よりも
●資格:小学校教諭/管理栄養士
●執筆経験あり:美容と健康/初心者の投資/子育て/教育
の方がシンプルで届きやすいですよね。
・定期的にページを見直す
上のようなことに気をつけながら定期的にページを見直し、更新していきましょう。
毎月チェックする、新しい実績が増えたら書き換えるなど、適切なタイミングでどんどん更新することで「しっかり活動している」「分かりやすい文章を書いている」と、クライアント候補に届けていきましょう!
ポートフォリオを作成する



プロフィールページの他、実績を示すために有効なものがポートフォリオです。「ポートフォリオをご提示ください」と書かれている応募要項も多く見られるため、ある程度の実績ができたら作成することをおすすめします。もちろん、クラウドソーシングサイトを卒業した後にもずっと使えますよ。
・記載する内容
あまり難しく考えすぎず、書いた記事のリンクを貼ったりできる事をまとめて書いたりしてみましょう。
私はnoteを使用していますが、自分のブログでも大丈夫です。
プロフィールページと同様に、見てくれた方に伝わりやすいよう意識しましょう。
文字の装飾や画像の挿入など自由にカスタマイズできることも多いため、プロフィールページよりも作成しやすく個性を表現しやすいこともメリットです。
・許可を得たもののみ掲載しよう!
記名記事であればあなたが書いたことは明白ですが、そうでない場合は注意が必要です。
最悪の場合は法的トラブルに発展する可能性もあります…。
機密保持契約(NDA)により、執筆者を明かしてはいけない記事もあるためです。
そうした契約を結んでいる場合はもちろん「私が書きました!」なんて言えません。
契約を結んでいない場合でも、無記名記事であれば必ずクライアント様にポートフォリオ掲載や実績としての公表が可能かどうかを確認しておきましょう。
掲載許可について記載されているメールやメッセージなどの履歴を残しておくとさらに安心です。
案件を選ぶ目を養う



実績がないうちは、「費用対効果ばかりを考えずに気になる仕事にどんどんチャレンジしてみよう」「自分との相性を見るためにも様々なジャンルに挑戦しよう」とお伝えしました。
実績が増えてきたら、時間に見合った報酬を得るためにやり方を変えていく時期です。案件やクライアントを選ぶ目を養うことで、より良い仕事との出会いにつながります。
・クラウドソーシングサイトの単価相場を知ろう
相場を知ることで、あまりにも単価が低すぎる案件を避けられるようになります。
書きたいジャンルはどれほどの報酬が一般的なのか知っておくと、仕事選びの参考になるでしょう。
たとえば私がよく利用しているランサーズであれば、仕事募集のページに「〇円/文字」と表示されています。
様々な案件がありますが、相場としては以下のようなものが多いようです。
文字単価 〇円/1文字 | |
ブログ・記事作成(300件前後) | 育児・アニメ・占い関連など専門性の低いもの 0.2円~1円 通信関連・転職・電化製品・健康関連など 1円~4円 |
Webサイト・LP(200件前後) | 金融・ビジネス・建築 2円~法人向けページ 2円~PVによるボーナス求人案件も多い。専門性の高さが求められる |
SEO記事(40件前後) | 転職や就活・通信や家電・美容など 1円~4円 |
シナリオ・原稿(30件前後) | ショート動画 1.5円~3円長尺動画 0.5~2.5円 |
やはり専門性の高いものは文字単価も高くなりがちです。
ただ、構成案作成、画像選定、入稿作業など、単純な執筆以外の作業が含まれている場合もあるため、文字単価のみで判断することは危険です。
応募要項を確認し、全ての作業を含めてどれほど時間がかかりそうなのか、その対価が得られるのか、しっかり考えましょう。
・継続案件か、単価アップはあるのか確認しよう
今後も安定して案件をいただけそうなクライアント様に出会えると、かなり心強いですよね。
応募要項をよく読み、継続案件なのか単発案件なのか、単価アップはありえるのか確認します。
得意なジャンルで継続して取り組めそうな案件があれば、優先して応募してみましょう。
・クライアントの信用性を確認しよう
「報酬も条件も良さそう!」ではぜひ応募を!といきたいところですが、大きな注意点があります。
果たして書かれていることに信頼性があるのか、という点に目を向けるようにしていただきたいのです。
たとえば私であれば、「採用後は1記事5000円、テストライティングは300円」「文字単価は低めの0.5円ですがライターとしての基礎からしっかり指導するのでお得です」などの文言は少し警戒しています。
こうしたことを謳っている発注者がすべて怪しいというわけではありませんが、初心者ライターを低い単価で利用しようと考えている発注者がいないとも言い切れません。
以下のようなことに注意して、どのような発注者なのか確認することをおすすめします。
①企業名が分かれば検索をかける
アカウント名やオウンドメディア名などから企業名が分かれば、検索してみましょう。
プライバシーポリシーの記載やSSL化はしっかりしている企業でしょうか。
資本金や従業員数、主な掲載メディアなど、こうした点がはっきり確認できるほど安心材料になるでしょう。
「該当しない企業は即NG!」というわけでもありませんが、慎重に取引することをおすすめします。
②評価や依頼の履歴を確認する
同じような依頼が何カ月も続いている場合は、安定してしっかり仕事をするライターと出会えていない、もしくは契約しようとしていない、などの可能性があります。
評価においても、「連絡が遅すぎた」「依頼後の指示が不明瞭でやりづらかった」など、マイナスなものがないか確認します。
評価はあくまでも一人のライターの感想ですから書かれていることを鵜吞みにする必要はないですが、参考として見ておくといいでしょう。
単価アップ・継続案件受注をねらう
活動を続けるためには、同じ文字数を書くなら単価が高い方をねらいたい、きちんとしたクライアント様と長く仕事をしたいという考えが出てきます。
そのためにはどのような行動が必要でしょうか。
言わずもがなですが、こうした案件を獲得するためには文章の質・自分の能力を高めることが不可欠です。
・文章の質を高める
依頼を受けて執筆するのであれば、クライアント様に満足していただく文章、ターゲットとなる読者にしっかり届く文章を書く必要があります。
①SEO対策を意識する
Web上でライティングをするのであれば、SEO(検索エンジン最適化)を意識することが不可欠です。
検索上位に表示されやすい記事=クライアントのメディアの価値を上げてくれる記事として求められています。
つまり、キーワード選定や文章内への配置の仕方、評価される構成などを考えて執筆できるライターは重宝されます。
SEOについての知識は、自身のメディアを持った時の強力な武器にもなりますよ。
②伝わりやすい文章を意識する
記事の目的は何なのか、記事を読んだ読者をどう行動させたいのか、クライアントの意図をしっかり把握したうえで「しっかり伝わりやすい文章」を書くことを意識します。
・難しい単語や専門用語は使わずに誰にでも理解してもらえる言葉を選ぶ
・冗長表現を避けてシンプルに伝える
・伝わりやすい構成にする
・必ず自身で読み返して誤字脱字を防ぐ
こうしたポイントを意識して、満足していただける記事づくりに努めます。
・クライアントとの信頼関係を築く
ほとんどのWebライティングは、オンライン上でのやり取りによって進んでいきます。
文章作成に優れていても、クライアントとの信頼関係が薄ければ継続案件にはつながりません。
直接顔を合わせる相手ではないからこそ、注意しておきたいポイントがあります。
①納期厳守・丁寧なやり取り
余裕をもってスケジュールを組み、納期に遅れないようにしましょう。
「一人の遅れが全体の遅れにつながる、何があっても納期は守る!」という強い覚悟で、早め早めに取り組みましょう。
納期ギリギリの作成では、誤字脱字の見逃しがあったり、修正依頼に柔軟に応えられなかったりしてしまいます。
また、メールやチャットでのやり取りは簡潔かつ礼儀正しく行い、信頼感を持ってもらえるようにします。
様々なコミュニケーションツールがありますから、通知を見逃さずに適時返信していくことも重要です。
②自身からの提案や質問も行う
クライアントの意向に沿った記事を書くことは大前提ですが、必要な時にはこちらから発言することもあります。
常に受け身の姿勢ではなく、記事をより良くするためのアイデアがあれば提案や質問をしてみることも必要です。
また、マニュアルを読んだり検索したりしても分からないことがあった場合は「多分こうだろう」ではなくしっかり質問・確認しましょう。
このような行動を積み重ねることでクライアントからの評価が上がり、継続案件受注や単価アップのチャンスにつながります。
単価交渉のタイミングと方法
募集時に「単価アップの可能性あり」などと書かれていた場合、ライター側としては早く単価アップしてほしいもの。
しかしクライアント側にとっては負担が増えるわけですから、簡単に「そろそろ単価を上げてください」とは言えません。タイミングと伝え方が非常に重要です。
・実績が増え、成果を出している時がタイミング
いつ単価交渉してもいいのか、という問いに対して、一概に「〇記事くらい」「〇ヶ月くらい」とは言えません。
・求められている質の物をしっかり書けている
・きちんと評価の言葉をいただけている
・信頼関係が築けている
など、これまで納品してきた記事の質やあなたの対応についてクライアントが満足してくれていることが条件です。
私の場合ですが、早い方ではテストライティング終了時に納品記事と実績を見て、応募要項に書かれていたものよりも高めの単価を提示していただいたこともあります。
一方で、週に2本ほどの記事を納品していながら、半年後にようやく単価アップについて切り出せたケースもあります。
・具体的な理由やクライアントにとってのメリットを伝える
タイミングを見極めたら、なぜ今交渉に踏み切ったのか、単価アップしていただけたらどうなるのかをしっかりとクライアントに伝えます。
たとえば
「これまで半年間にわたり継続してお仕事をさせていただき、大変感謝しております。
これまで修正も少なく、納期を守ることを意識しながら執筆を続けてまいりましたが、今後もよりクオリティの高い記事を提供できるよう努めていきたいと考えています。つきましては、応募要項にございました単価見直しの件についてご相談がございます」
のように、控えめに、かつこれまで行ってきたことをしっかりとアピールしながら交渉に切り出すイメージです。
今後について、文章の質を上げていくことはもちろん、「週に2本だった納品を3本にできる」など、クライアントにとってのメリットをできるだけ具体的に書けると良いでしょう。
・相場より低い場合は適正価格を提示する
上の例より少し難易度が上がりますが、似たような案件の相場をリサーチし、現在の単価が低いと感じた場合にも相談の余地があります。
「〇円での執筆が増えてきているため、今後はこちらの価格で引き受けたいと考えております」と、他の事例を提示しながら提案してみます。
・断られることも想定しておく
単価交渉は、決して簡単なものではありません。
安定した収益を確保するための大切な手段としてタイミングや言葉選びに注意しながら行う必要がありますが、そのうえで断られることももちろんあります。
現状の単価のままでも継続してお付き合いしたいのか、より条件の良い案件を探しなおすのか、考えておいたうえで交渉に臨みましょう。
簡単ではありませんが、受け入れていただけるとモチベーションも上がり、ライター活動を継続する力になりますよ。
おわりに:着実なステップアップを目指して頑張りましょう
ライターになれても、安定して続けていくことは簡単ではありません。
力を高めつつ、その時できる範囲のことにしっかり取り組んでいくことが大切です。
武器になる実績や知識をどんどん増やし、自分を使ってくださるクライアントを大事にしながら、できることを更新していきましょう!
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