「Sales SOS」をご覧のみなさん、はじめまして。WEB制作ディレクター&営業の二足のわらじでやってます、「札幌の高橋」と申します。私が新卒入社した会社で体験しました、ブラック企業の体験をまとめさせていただきました。
ブラック企業の特徴
ブラック企業と感じるか、感じないかの定義は人によって違うと思いますが、
一般的に定番なブラック企業の主な特徴を10項目あげてみます。
(もし、みなさん該当項目がある・複数ある場合は、見極めて転職も検討しましょう、ご自愛ください・・・)
- ①長時間労働が常態化
- ②低賃金・未払い残業
- ③パワハラ・モラハラが横行
- ④過剰なノルマ・プレッシャー
- ⑤労働環境が劣悪
- ⑥休みが取れない・有休消化が困難
- ⑦離職率が異常に高い
- ⑧労働基準法を無視・コンプライアンス違反
- ⑨社員を駒扱いする社風
- ⑩採用活動が常に行われている
わたしのブラック企業体験記
新卒で入社した会社は、某歓楽街エリアを対象にした無料情報誌の広告営業。
無料情報誌、というものは居酒屋などの飲食店やバー、スナック、ニュークラブなどのお店の情報やクーポンが載っているもの、というとわかりやすいかもしれません。
営業マンは、その紙面の掲載枠を売ることがミッションです。
リストはあってないようなもので、主な営業方法は「飛び込み営業」と「テレアポ」
陰キャ気質の私にとって、まず慣れることが辛かったのですが、それさえぬるく感じるブラック出来事に遭遇していくことになります。
営業20人の潰し合いとノルマと
この、「某歓楽街エリアを対象」としたサービスが、この会社をブラック企業たらしめる核だったと今なら思います。
このエリアの面積は明確に公表されていませんが、南北約1km、東西約0.5kmの範囲です。
営業先となる飲食店は約7,000軒。
大手チェーン店は代理店経由となり、すべて部長が担当。
残りの中小店舗を、1km×0.5kmの範囲内で、20人の営業が奪い合うことになります。
新規開店店舗は奪い合い。
飛びこみ営業がバッティングした時には、「自分で契約してくれたら、先に来たあの営業より、〇〇円安くしますよ!」という身内の醜い争いが発生。
売上ノルマももちろんありますが、ペナルティを回避するために営業は必死です。
「月売上の達成」かつ「新規を1人顧客獲得」どちらも達成できなかった場合には、
ペナルティとして営業マージンは全部没収。
支給給与に約10〜20万円という差が出るため、後輩・先輩関係なく毎月本気の蹴落とし合いが発生していました。
「俺たちの稼いだ金で食う飯は美味いか?」
前述の通り、狭いエリアにたくさんの営業が毎月毎週毎日ウロついているため、営業をかけられる店舗も慣れたもので、勇気をもって飛びこんだ瞬間に「またお前らか」という顔をされる確立100%。
絞り尽くされた営業先で、入社数週間目の説明もままならない新卒の人間たちが契約をとれるわけもなく、わたしを入れた3人の新卒社員が意気消沈&満身創痍でお昼ご飯を食べている時に、営業部長が陽気に投げかけてきた言葉。
「おう、俺たちの稼いだ金で食う飯は美味いか?」
清々しいパワハラセリフで、今でも鮮明に思い出せます。
この営業部長のパワハラ/モラハラに、退職まで苦しめられることになります。

当時のパワハラ営業部長S氏、あのときかわいがっていただいた高橋です。札幌のどこかで会ったら「よろしくお願いしますね」。
強制送還歓迎会(スプーンのお土産付)
そんな会社の新卒歓迎会の恒例行事。(むしろ儀式?)
とにかくお酒を飲みに飲ませ、潰して、タクシーで強制帰宅させる、というもの。
お酒が好きで、強い方だった私は、永遠に供給されるアルコールの煉獄が辛く、
ピッチャーのビールのいっき飲みは、胃の容量的に辛いものがありました。
1時間ごとに送還されていく同期を、うらやましく思ってました。
私が強制送還された時間はAM2:00、翌朝二日酔いの状態で鞄を整理しようとしたら、酔っぱらった先輩からのイタズラなのか、銀色のスプーンが15本くらい出てきました。





夕方・夜から本格活動するタイプの商材だったからできる生活サイクルです。
ニューハーフショーパブママの罠
ほとんどの顧客が個人経営店、振込手数料を手間が嫌がられるため、
掲載料の「集金」も、営業が行ってました。
掲載料を受け取り、領収書を手書きで書いて、顧客に渡す、手から手への流れです。
直接顔を見てコミュニケーションをとったり、ついでに打合せをできる点が良いのですが、広告効果が悪いときにツメられることもあるので、憂鬱でもありました。
大体、お店が開店準備中の忙しい時間に行われます。
もっと別の時間帯にじっくり打合せをしたらいいのに・・とも思うのですが、そこは個人経営店、自分たちのペースを乱したり時間をとることを嫌がられることが多かったです。
その日は、先輩から顧客預かり引き継ぎした、小さめのショーパブの集金をはじめてする日。
忙しいママに代わって、掲載料の封筒を受け取り、かわりに領収書を渡して、すぐに退散。
本当はその場で封筒を空け、金額を確認するべきなのですが、モタモタお札を数えて確認することを嫌がられたので、お店の外でそっと数えることが、このお店への対応。
茶封筒の中の掲載料が、1万円多い。
すぐにお店に入りなおしてママを呼んで貰い、返金をしたところ、
「合〜格〜♡」(※独特のイントネーション)という一言。
わざとお金を多く入れて、ネコババしないか、信用に足る営業なのか、試す罠を張っていたんですね、
綺麗なお化粧に、のど仏から発せられる太い声が忘れられません。
大かれ小なかれ、会社だけではなくお客さんたちも癖のある人が多かったです。



あの時ネコババしていたら、わたしはどうなっていたのでしょう。恐ろしいですね。
未収金の回収は、ウシ〇マくんの世界観
冒頭で約7,000軒の飲食店が存在すると書かせてもらったのですが、
歓楽街ということもあり、このエリアは開店と閉店の入れ替わりの頻度が激しいです。
開店して約3ヶ月で経営がうまくいかず閉店してしまうお店も少なくありません。
そういったお店は掲載料の支払いが滞り、やがて閉店すると未収金になります。
回収会社に依頼したり、「未収金になっちゃったね、残念だね。」で終わることはなく、
営業が回収に出向かなければいけません。
ホームフィールドである歓楽街から飛び出し、契約者のご自宅へ突撃です。
朝、昼、夜と出会えるまで突撃、待ち伏せ。
やっていることは、まるで闇金会社のようです。
一度、自転車に引っ越し荷物を積んで運んでいる夜逃げの現場に出くわしたことがあります。
「自転車に荷物か・・何往復するんだろう・・」
「いま声かけたらどうなるかな・・」
「・・・自分って、ここまで人を追い込んでまでする仕事をしたいんだっけ?」
走り去っていく自転車を眺めながら、営業からの退職の想いを強くしました。



家に突撃したら、0歳くらいの赤ちゃんを抱いた奥様が出てきて、1000円だけ回収した時もありました。
…大分、心にきます。
ブラック企業で身に付いこと
わたしが新卒から3年間、収監されていたブラック企業で遭遇したブラックな出来事の一部を紹介させていただきました。
当時の、「足と気合で稼いで、同僚と争う営業スタイル」は、現在の売上目標を追いかける考えや、そもそも仕事自体があるという事を有難く感じる、という私自身の考えに繋がってます。
多方面からメンタルが鍛えられた部分が大きく、いまのIT関連の営業・ディレクター業でしょんぼりすることは年に1-2回くらいです。
冒頭で書かせていただいた通り、ブラック企業の感じ方や考え方は人それぞれだと思ってます。
「新卒入社した会社では、3年は働くべき」とよく言われており、わたしもそれを心に頑張っていました。
しかし、わたしのとってはこの3年は長すぎ・必要なかったな、と思っています。
みなさんも貴重な生涯の時間と、自分のメンタルや体を大切にして、お仕事と向き合っていっていただけたらと思いながら、書かせてもらいました。
「いまの環境で、営業でがんばていきたい!」という人には、
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。最後に、日々がんばる営業マンに、大口契約と、売上アップなど諸々のなにかいいことがある事を祈っています。
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