営業の仕事は、さまざまな人と関わりながら成果を上げることが求められます。しかし、そのために自分の意見を通す必要があるシーンも多々ありますよね。ただし、やり方を誤ると、周囲から「嫌われる存在」になってしまうケースも。今回は、会社によくいる「嫌われ者」の特徴と、営業マンとしてどのように意見・主張を通すべきかを考えてみましょう。
目次
1. 自分の意見を通すために他者を下げる
ありがちなシーン
- 「あの人のやり方だと絶対うまくいかないよ」と他部署のメンバーや同僚を批判し、自分の提案を通そうとする
- ミーティングや上司への報告時に「他のチームは営業成績が悪いから…」と暗に他者の能力を下げる発言をする
なぜ嫌われるのか?
- 「誰かを下げないと自分が立たない」という姿勢は周囲から信頼されません。
- 自身の実績や正当性を示すよりも、他人への攻撃で相対的に自分を“マシ”に見せるやり方は、チームワークを乱し、長期的には自分にもマイナスになるでしょう。
どうすれば良いのか?
- 自分の意見・主張の“ポジティブな根拠”をしっかり示す。数字や成功事例など客観的な材料を使って、自分の提案価値を伝える。
- 他の人の提案を尊重しつつ、補完する形で意見を出すなど建設的なアプローチを心がける。
2. 他人にリスペクトがない
ありがちなシーン
- 「そもそもあの人できないじゃん」「○○さん使えないよね」というように、相手の人格や能力を蔑ろにする言い方をする
- 社内外の人に対してぞんざいな口調や態度をとる
なぜ嫌われるのか?
- 人として最低限必要な敬意が欠けると、どれほど優秀でもチームメンバーはついてこなくなります。
- 信頼関係がないと良い意見があっても受け入れてもらえず、結果的に営業成績やチームの成果にも悪影響が出ることが多いです。
どうすれば良いのか?
- 相手の価値観、視点をまず受け止める姿勢を身につける。
- 名前の呼び方やメールの文面、ちょっとした声掛けなど、相手を尊重する言葉遣い・態度を意識する。
- 「今何に困っているのか」「どんな結果を望んでいるのか」を具体的に聞き出し、相手の立場に立って考えるクセをつける。
3. ネガティブを口頭でばら撒く(他人のやる気を減らす)
ありがちなシーン
- 「どうせうまくいかないよ」「このクライアント、難しいから」と事あるごとに否定的な意見を口にする
- 上司やクライアントに対して不平・不満をこぼすことで周囲のモチベーションを下げる
なぜ嫌われるのか?
- ネガティブな空気が広がると、他のメンバーのやる気や集中力を削ぎます。結果としてプロジェクト全体やチームのパフォーマンスが下がるだけでなく、人間関係もギスギスしがちです。
- 周囲から「また文句か」「どうせネガティブなことしか言わない人」と見られ、意見が軽視されるようになる可能性も。
どうすれば良いのか?
- 現場で問題がある場合は、建設的な解決策とセットで話す。「こういうリスクがあるが、こうすれば改善できるのでは?」と提案するイメージ。
- 「自分が今できること」「成功につなげるための施策」を意識的に口にし、前向きな空気を醸成する。
- 愚痴や不満は信頼できる相手や場所を選び、公の場ではなるべくポジティブな視点を持つようにする。
4. 責任回避・他責思考
ありがちなシーン
- トラブルが起こった際に「自分はやるべきことをやっていた」「上司が悪い」「あの部署の対応が遅いから…」など常に周囲のせいにする
- 失敗の理由を「景気が悪い」「製品力が弱い」など、自分がコントロールできない要因に押し付ける
なぜ嫌われるのか?
- 他責思考が定着すると、失敗から学ぶチャンスを自ら逃してしまいます。また周囲は、「一緒に仕事をしても、責任を擦り付けられるのでは」と信頼を置けません。
- 結果的に、メンバーからもクライアントからも信用を失い、評価が下がる原因になります。
どうすれば良いのか?
- 失敗を振り返る際は、自分が変えられるポイントがなかったかをまず考える。小さなことでも見直す姿勢がチャンスを生む。
- 「自分が果たせる役割」「どうすれば次は防げるか」といった前向きな課題設定を行う。
- 実際に協力が必要な場合は「こうしたいから力を貸してほしい」と周囲にお願いするコミュニケーションを取る。自分も主体的に動きつつ、チームを巻き込むと好印象が得られます。
まとめ:営業マンとして意見を通すために必要なこと
営業の仕事は結果がシビアに求められる一方で、社内外の多くの人を巻き込む必要があります。だからこそ、上記のような「嫌われる行動」を取ってしまうと、結果を出す前に人間関係が悪化し、自分自身の足を引っ張ることになるでしょう。
自分の意見や主張を通すなら、周囲のリスペクトをベースにしたコミュニケーションが大切です。
- 他者を下げるのではなく、自分の提案の良さを正当かつ積極的に示す
- 相手の考え方や状況を理解し、尊重する言動をとる
- ネガティブな要素があっても、解決策や建設的な視点を添える
- 責任を回避せず、自分がどこを変えられるかを考える
長期的に結果を残し、社内外で信頼される営業マンになるために、まずは自分のコミュニケーションや行動の癖を振り返り、改善できるポイントを一つずつ取り組んでいきましょう。そうすれば、チームの力も借りながら、より大きな成果を生み出せるようになるはずです。
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