保存できない国と、保存できない営業の話

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はじめに:今回はちょっとムリヤリこじつけてみた

東南アジア、アフリカ、中南米。
自然資源に恵まれているはずなのに、なぜか経済的に貧困が多い地域として語られがち。

この理由をまじめに追えば、植民地支配、政治、インフラの未整備などいろいろある。
でも今回はそんな話じゃない。

今回はあえてムリヤリに、「営業文化」と結びつけてみようと思う。
特に、光回線・金融・不動産など、無形商材に多い“ゴリラ営業”との共通点をこじつけてみた。

一見なんの関係もなさそうだけど、気候・文化・行動様式をたどっていくと、
なんとなく筋が通ってきたりする。かもしれない。たぶん。


ゴリラ営業は「焼き畑農業」だ

ゴリラ営業とは、

  • 朝から晩までテレアポ
  • アポが取れたらその足で即訪問
  • その場で即決を狙う

という、根性と握力に全振りしたパワー型営業スタイルのこと。

この営業スタイル、どこかで見たことあるなと思ったら…
そう、焼き畑農業にそっくりだった。

土地(リスト)を耕すことはせず、
とにかく火をつけて、熱いうちに全部刈り取る。
使い終わったら次の土地へ――。

市場もリードも信頼も“燃やして刈る”前提で動いている。
再現性も持続性もない。
けど実はこれ、保存できない環境においてはめちゃくちゃ合理的なのだ。


高温多湿な地域では「保存」がむずかしい

たとえば東南アジアや中南米のような高温多湿な亜熱帯地域では、
冷蔵や保存の技術が普及するまで、食材はすぐに腐ってしまっていた。

だから文化として定着したのは、

  • その日に食べる
  • 残すよりすぐ使い切る
  • 腐らせるのは“もったいない”

という「短期消費型」の行動様式。

この「腐らせるくらいならすぐ使う」という発想は、お金や物の使い方にも影響する。
貯めるより回す、計画より今、となる。

結果として、“その日暮らし”や“自転車操業”のような経済行動にもつながりやすくなる。


寒冷地・保存文化のある地域では「蓄積」と「計画」が根付く

一方で、寒冷・乾燥地域に住む人々は、
食材を干す・燻す・塩漬けにして保存する文化を発展させてきた。

これがやがて、

  • 今すぐ使わなくてもいい
  • 計画的に分配・備蓄する
  • 未来に備えて資源を管理する

といった長期計画型の思考様式につながり、
結果的に経済における「貯蓄」や「投資」の発想、
「制度化」「法整備」などを通じて成長しやすい土壌になる。


ただし、保存文化が必ずしも「成長」につながるとは限らない

とはいえ、蓄積や計画が文化として根付いていたとしても、経済成長に直結するとは限らない。

慎重になりすぎて動けない、
失敗を恐れて変化できない、
貯めること自体が目的化してしまう――
そんな「安定志向の罠」にはまりやすくなる。


新規事業フェーズでは「ゴリラ的なパワー」が必要なときもある

たとえば、新規事業や立ち上げフェーズでは、
計画や仕組みよりも“スピードと行動量”が物を言う世界がある。

アポを1件でも多く取る。
その日に結果を出す。
赤字事業を早く黒字化するために、なんでもやる。体を張る。

このとき求められるのは、まさに“ゴリラ的なパワー”だ。


成熟フェーズでは「貯蓄型」の営業が効いてくる

逆に、事業が軌道に乗り、インバウンドの問い合わせが増えてくると、
営業にも「育てる」力が求められるようになる。

  • リードを蓄積してスコアリングする
  • 適切なタイミングでアプローチする
  • 顧客との関係性を長期的に育てる

こういった「貯蓄型営業」は、LTVを最大化し、解約率を下げ、顧客との信頼を深める。

だからこそ、営業組織には

今はゴリラフェーズなのか?
それとも貯蓄フェーズなのか?

という共通認識が必要になる。


文化に優劣はない。営業も同じ。

高温多湿な地域で焼き畑農業が合理的だったように、
保存がきかない営業環境ではゴリラ営業が最適解だった。

一方、冷蔵庫があり、インフラが整った環境では、
蓄積・熟成・タイミング重視の営業が機能する。

営業は文化であり、生きるための戦い方だ。
どちらが正しいかではなく、どのフェーズにいるか、どんな環境にいるかで最適解は変わる。

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